泣き寝入りしか、ないのかな?
先日、わか松で呑んでいたら、「北広島の飲食店が食べログに事実と違う内容を投稿されて損失を被ったとして、
店舗情報の削除を求めた裁判で、最高裁が飲食店の訴えを退けた」というニュースがテレビから流れた。
〈社会的に相当性を有する口コミ投稿ならば営業上の損失が生じたとしても甘受すべき〉という、二審判決が確定
したらしい。いや、社会的に相当性を有するって、具体的にどういうこと?
じっと画面を見ていた山口マスターが、「うちも、やられたんだよね」と話し出した。「2年くらい前なんだけど、その頃にはもう仕入れていなかった《石田屋》を呑んだって投稿で、3,000円も取られたって。置いてない酒を、どうやって吞むんだって話だよ。しかも、3,000円じゃ赤字だよ(笑)」
ちょっとお酒が入っていたから、ゲラゲラ笑ってお仕舞いではあった。
悪意のある投稿を防ぐ方法はない。その上、匿名で批判的なでまかせを垂れ流すというのは、実に卑怯だと思う。
ここのところの不景気で、繁華街の人影はすっかりまばらになり、売り上げが厳しい店も多々ある。わか松だって最近7年くらいは、値段の張る純米大吟醸の仕入れを、極端に絞っているくらいだ。
そんな現状の中で、何を言われても泣き寝入りせよ、という意味にもとれる判決は酷ではないか。
見方を変えれば、「自分の感覚だけが正しい」と妄信している投稿魔に、お墨付きを与えたように感じる。禍根を遺すことにならなければよいが。
地域とか、そこの常連にとって大切な店が、どこの馬の骨とも分からない奴におとしめられて良いはずがない。少なくとも、本当に駄目な店は自然に消えてゆく。長く続いている事実以上に、確かな情報などありはしない。
言いたいことがあるなら、堂々と名乗ってやったらいい。後ろ暗いところがあるから、匿名の陰に隠れているのだろう。そんな匿名の記事を信じる方が、どうかしている。
自分の勘や舌を信じられないから、あんな嘘っぱちだらけの怪しい情報を鵜呑みにするのだろうか。たとえ、失敗したとしても自分で経験しなくちゃ何にもならない。どんな酒も、呑んでみなくちゃ語れない。
などと言っておきながら、このブログも匿名なんだけど。
ただ、どうしてもどんな奴が書いているのか知りたければ、わか松に通っていれば、そのうち逢えます。
(お)